会えなくても、思い出してる

微熱から下がらず、欠勤した。
特に急ぎの仕事があるわけじゃなく、年休もほとんど使っていない。
さらに、まだ週の前半。
今週末は日曜に出勤するよう言われている。
私は熱がどんどん上がる体質。
軽いうちにお医者さんに行かないと！と思ってた。

だるい体で「頑張ってます！」な風に出勤するよりは
「使える休みは使わないと」
という性格。ってマイペースなところもあるのだけど(笑)。

いい天気。
まだ熱は下がらないけど、出かける。
近くには、春に彼と立ち寄った和食屋さん。

熱のだるさを感じながらも、彼のことはすぐ頭に浮かぶ。

このお店で、あなたは私に言った。
夕食、家では食べないってこと。
アイロンも、自分でかけるってこと。
「ホント」
そう言いながら見せてくれたあなたの白いワイシャツにはアイロンがけに失敗した二本線。
「午後も眠くならないように」
そう言って私の分もコーヒーを注文してくれた。
おいしいコーヒーで驚いたよね。

会社へ戻る時。
「仕事か…職場か…」
ってつぶやいた私。右折、左折どちらでも戻れるけど。
「前の車と反対に曲がりましょう！」
って言う私に、ハンドルを握りながら愉快そうに笑った。
そして。
右折のあと、さらに遠回りをしてくれたね。

いま思えばあの時あなたは。
私より余裕がなかったはずなのに。
ちゃんと優しくしてくれてた。

あなたみたいな人、どこかにいるの？
あなたじゃない誰かを、好きになる時はくるの？
あなたに会わない日でも、あなたの存在はこんなにも大きい。

忘れられたらいいと思う。
忘れられない男だと思う。