職場に突然の電話。
とったのは私。
いつもの笑顔で。
聞こえてきたのは、遠慮がちでもなく、偉そうでもなく、自然に名乗る声。
「○○(フルネーム)の家の者ですが…○○(苗字)は…?」
最初フルネームを言われた時、なにかのセールスかと思った。
彼のフルネームまで調べてくるなんて、準備いいのね、なんて。
馬鹿みたい。
初めて、声を聞いた。
彼の奥さんの声。
「キレイな奥さんなんでしょ?」
おばんざい屋さんで聞いた私に、
「見たことないじゃない(笑)。おっかさん!って感じだよ」
と笑ったあなた。
…声だけだと年相応なママって感じだったけど?
少し、幼いかわいらしさも持っていたかな。
社会人経験のないまま30前まで家事手伝いをしてたあなたの奥さん。
どういう風に彼に取り次いだのか、正確におぼえてない。
「お家の方からです」
と言ったのは確か。
「奥さんからです」
って言いたくなかったの?私…
馬鹿みたい。
馬鹿みたい。
話を聞いてると、家族に何かがあったんだろうということは見当がついた。
その彼の深刻さを想像できるくせに…涙が出そうだった。
彼の電話なんて聞いてないようなフリでFaxをチェックしながら、Faxを睨んだ。
さもケイタイが鳴ったようなフリで、早足で廊下に出た。
一気に涙が溢れた。
ここはまずいよ。
そんな判断だけはしっかりして(笑)、泣きながら、苦笑しながら他の階へ行った。
充分考えられる事態。
同じプロジェクトにいるんだから。
出張後、このタイミングでの電話に意味を感じちゃいけない。
それでも彼は、しっかり残業していた。
帰らなくていいの?
ご家族は大丈夫なの?
少し2人になれた時、声をかけた。
「帰らなくて大丈夫なんですか?」
「うん。帰ってもいないから」
「え?…お子さん?」
「うん」
「入院したんですか?」
「そう」
「病院は行かなくて平気なんですか?」
「うん」
「いつから?」
「…日曜」
昨日。
私が、浮かれた週末を過ごしていたころ、お嬢さんが体調を崩したのね。
原因はわからないと言っていた。
お嬢さんはわかったんだろうか。
自分のパパを思って浮かれる女がいることを。
パパの言動ひとつひとつに一喜一憂する女がいることを。
ごめんね。
それでも、好き。
気持ちは、変わらなかったよ…
変えられないよ。
とったのは私。
いつもの笑顔で。
聞こえてきたのは、遠慮がちでもなく、偉そうでもなく、自然に名乗る声。
「○○(フルネーム)の家の者ですが…○○(苗字)は…?」
最初フルネームを言われた時、なにかのセールスかと思った。
彼のフルネームまで調べてくるなんて、準備いいのね、なんて。
馬鹿みたい。
初めて、声を聞いた。
彼の奥さんの声。
「キレイな奥さんなんでしょ?」
おばんざい屋さんで聞いた私に、
「見たことないじゃない(笑)。おっかさん!って感じだよ」
と笑ったあなた。
…声だけだと年相応なママって感じだったけど?
少し、幼いかわいらしさも持っていたかな。
社会人経験のないまま30前まで家事手伝いをしてたあなたの奥さん。
どういう風に彼に取り次いだのか、正確におぼえてない。
「お家の方からです」
と言ったのは確か。
「奥さんからです」
って言いたくなかったの?私…
馬鹿みたい。
馬鹿みたい。
話を聞いてると、家族に何かがあったんだろうということは見当がついた。
その彼の深刻さを想像できるくせに…涙が出そうだった。
彼の電話なんて聞いてないようなフリでFaxをチェックしながら、Faxを睨んだ。
さもケイタイが鳴ったようなフリで、早足で廊下に出た。
一気に涙が溢れた。
ここはまずいよ。
そんな判断だけはしっかりして(笑)、泣きながら、苦笑しながら他の階へ行った。
充分考えられる事態。
同じプロジェクトにいるんだから。
出張後、このタイミングでの電話に意味を感じちゃいけない。
それでも彼は、しっかり残業していた。
帰らなくていいの?
ご家族は大丈夫なの?
少し2人になれた時、声をかけた。
「帰らなくて大丈夫なんですか?」
「うん。帰ってもいないから」
「え?…お子さん?」
「うん」
「入院したんですか?」
「そう」
「病院は行かなくて平気なんですか?」
「うん」
「いつから?」
「…日曜」
昨日。
私が、浮かれた週末を過ごしていたころ、お嬢さんが体調を崩したのね。
原因はわからないと言っていた。
お嬢さんはわかったんだろうか。
自分のパパを思って浮かれる女がいることを。
パパの言動ひとつひとつに一喜一憂する女がいることを。
ごめんね。
それでも、好き。
気持ちは、変わらなかったよ…
変えられないよ。
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